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脳内身体イメージと身体症状の関係

  • 2019年2月15日

 生後、脳内で発達する身体イメージ(脳内身体表現)は、精神情緒と絡み、情動の身体感覚認知と関連するという説があり、精神科領域の身体表現症、東洋医学の五志など心と身体の関係が関連します。

 心と身体感覚について、日本では様々な体言葉に表れています。

・「(悩み事で)頭が痛い」
・「(怒りが)腹に据えかねる」
・「(悲しみで)胸がつぶれる」
・「(財政問題で)首がまわらない」
・「肩に力が入る」「肩の力を抜く」(肩こりと関連)
・東洋医学では五蔵と五志と関連します。

東洋医学では体の調整、鍼灸治療で心の不調を治療します。
欧米ではライヒ派※1の精神療法で、筋のこわばりと抑圧された感情と関連させた精神療法的マッサージがあります。

解剖、生理学分野で説明がつかない経絡について、鍼を刺す映像を見た被験者が鍼を刺された響き感覚を感じるという現象※2なんかを考えると脳内のシステムとしての身体イメージとの関係がとても気になります。

※1精神科医のヴィルヘルム・ライヒ(1897- 1957) フロイトの弟子です。

※2Lee J, Napadow V, Kim J, Lee S, Choi W, et al. (2014) Phantom Acupuncture: Dissociating Somatosensory and Cognitive/Affective Components of Acupuncture Stimulation with a Novel Form of Placebo Acupuncture. PLoS ONE 9(8): e104582. doi:10.1371/journal.pone.0104582