2015年に発表された珍しいお灸の論文からです。(お灸の研究は鍼よりすくないのです。)
引用:Effect of lit-moxa stimulation of Guanyuan (CV 4) acupoint on levels of lactic acid and super-oxide dismutase in skeletal muscle of rats(関元穴への温灸刺激がラットの骨格筋の乳酸レベルとスーパーオキシドディスムターゼレベルに与える影響)http://www.journaltcm.com/modules/Journal/contents/stories/152/16.pdf
著者らはネズミさんに2日に一度、下腹部の関元というツボに温灸を2週間続け、その後、水泳で疲労困憊(ひろうこんぱい、泳げなくなるまでの時間)するまでの時間、腓腹筋(ふくらはぎ)の乳酸(疲労物質)とスーパーオキシドディスムターゼ(SOD、細胞内活性酸素分解酵素)を調べました。乳酸とSODは任意単位を使っているのか文章中に単位がないのが残念ですが、現象自体は面白いので、精度の高い継続研究が望まれます。
1.お灸もトレーニングもしていないネズミ 10 ± 8分
2.お灸をしていたネズミ 28 ± 11分
3.トレーニングをしていたネズミ 36 ± 18分
(平均±標準偏差)
お灸をしたネズミと定期的にトレーニングしていたネズミは何もしていないネズミに比べて、泳げる時間が延びました。
疲労困憊後の乳酸の違い
1.疲労困憊させていないネズミ 6.9 ± 0.9
2.お灸もトレーニングもしてないネズミ 10.5 ± 1.3
3.お灸をしていたネズミ 8.8 ± 0.9
4.トレーニングをしていたネズミ 8.0 ± 1.0
(平均±標準偏差)
疲労困憊後、お灸をしたネズミとトレーニングをしていたネズミの乳酸レベルのは何もしていないネズミに比べて有意に低値でした。(増加が抑制されています)
1.疲労困憊させていないネズミ 61 ± 13
2.お灸もトレーニングもしてないネズミ 36 ± 6
3.お灸をしていたネズミ 49 ± 8
4.トレーニングをしていたネズミ 57 ± 8
(平均±標準偏差)
疲労困憊後、お灸をしたネズミとトレーニングをしていたネズミのSODレベルは何もしていない疲労困憊ネズミに比べて有意に高値でした。