足三里は有名すぎるので別のツボの紹介を
昭和初期のお灸の名人、沢田健が多用していたツボです。
陽池(左側が多い)と中脘のお灸です。
陽池 | 中脘 |
殆どの患者さんにお灸をしていた場所で、下腹部に力が入るのを目的としていたようです。子宮の位置が正常になるという発言もされていますが、おそらく腹直筋の左右差が整うので、そういっていたのだと思われます。
さてこの下腹部とは何かというと、東洋医学で原気が集まるとされる「丹田」という部位です。武道でも出てくる丹田です。
気が集まるので、ここに力が入ると元気になるという事です。
私もほとんどの患者さんのここにお灸をしています。
よほど弱った方以外は、中脘のあたりが盛り上がってはっていて、下腹部のあたりが軟弱です。
実際に観察していると、中脘にお灸をしたり、鍼をしたりすると、上腹部の盛り上がりが沈んで下腹部に力が出てきます。
背中の張りも調整すると、背が伸びて歩きやすくなるようです。
陽池と中脘の組み合わせを発見した沢田健は、人物的にかなり面白く、いろいろな名言があります。
私が特に好きなものの一つが「お灸をすると、かってになおってしまうのです。」があります。
きゅう師の力が治しているのではなく、お灸をすると患者さんの治す力がたかまって、治ってゆくという事です。
なかなかすてきじゃないと思いませんか?