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小児はりと疳の虫

詳しくは ⇒ やさしく書いた疳の虫のお話 疳の虫について(専門的な話

小児はりとは?

とくに関西、大阪を中心に発展した鍼治療です。疳の虫(かんのむし)と言われる子供のさまざまな症状に対する治療法です。
具体的には、下の写真のような刺さない鍼を使って子供のの体をこすったり押したりして、自律神経の調整をはかります。

子供のさまざまな症状が改善すると家族みんなが楽になりますので、関西では祖父母が子供を小児はりに連れてゆく習慣が今でも残っているところがあります。

健康管理であれば、月に一回の小児はりの治療で良いと思います。

疳の虫(かんのむし)は、とはなんですか?

疳の虫は、主に心理的なストレスや苦手な環境が原因と考えられている子どものいろいろな症状です
小さな子供はまだ世界(生まれてきた世界)になれおらず、また言葉がうまく話せないため、困っていることを大人に伝えられません。
そのためにストレスが溜まっていろんな症状が出てきます。それをひっくるめて「疳の虫」とか「疳虫症」などと言われています

具体的な症状には諸説ありますが、おおむね下記のようなものです。

神経質、機嫌が悪い、かんしゃく(怒りやすくわめいたり、暴れたりする)、だだをこねる、ぐすり(だだをこねて泣くなど)、かん高い声でキーキー奇声をあげる、夜寝ない、夜泣きする、乳吐く、イヤイヤしてご飯を食べない、変なものを食べる(異食)です。

なぜ「虫」という表現を使うのですか?

諸説ありますが、小さな子供を中心とする困りごとは、ときに子ども本人だけでなく年上の兄弟姉妹、両親、祖父母、ご近所、学校などいろんなとこに波及します。しかし、子ども自身のせい、親のせい、祖父母のせいなど人に原因をもっていくとみんながしんどいです。

 ということで、「疳の虫」というわけのわからない「虫」のせいにしたようです。(つき物のせいにも心の問題にもしたくない)
妖怪ウォッチの「~は妖怪のせい」と似ています。

長野仁 東昇「戦国時代のハラノムシ」国書刊行会から