疳の虫は、主に心理的なストレスや苦手な環境が原因と考えられている子どものいろいろな症状です
小さな子供はまだ世界(生まれてきた世界)になれおらず、また言葉がうまく話せないため、困っていることを大人に伝えられません。
そのためにストレスが溜まっていろんな症状が出てきます。それをひっくるめて「疳の虫」とか「疳虫症」などと言われています。
諸説あります。
神経質、機嫌が悪い、かんしゃく(怒りやすくわめいたり、暴れたりする)、だだをこねる、ぐすり(だだをこねて泣くなど)、かん高い声でキーキー奇声をあげる、夜寝ない、夜泣きする、乳吐く、イヤイヤしてご飯を食べない、変なものを食べる(異食)本当にイロイロです。多動も疳の虫の範疇に入ると思います。
諸説あります。古い本を読むと・・・
鼻の上、目と目の間に青筋(静脈が浮き出て見える)があるとか書かれてます。
諸説ありますが、小さな子供を中心とする困りごとは、ときに子ども本人だけでなく年上の兄弟姉妹、両親、祖父母、ご近所、学校などいろんなとこに波及します。しかし、子ども自身のせい、親のせい、祖父母のせいなど人に原因をもっていくと、ほとんどこじれてどうにもなりません。
ということで、「疳の虫」というわけのわからない「虫」のせいにました。(つき物のせいにも心の問題にもしたくないから)
妖怪ウォッチの「~は妖怪のせい」と似ています。
大阪周辺、関西だと、子どもの困った症状が出た場合は、「虫切り」と言って、だいたいお婆さんがはり師の元へ連れてゆく習慣がありました。(最近はどうなんだろう)
戦国時代から江戸時代にいろんな病気の虫が開発されて、こどもの虫としては下の絵のようなものがあります。白い蛇みたいなやつが「疳の虫」のイメージとしてよく出てくるよ虫さんです。
長野仁 東昇「戦国時代のハラノムシ」国書刊行会から
はり師による小児はり(虫はり)かお坊さんか神主さん、または虫抜きができるお婆さんのおまじない、疳の虫のお薬で退治します。
小児はりが広がっている地区ははり師の仕事、それ以外の所はまじないでじゃないかという説もあります。おそらく、まじないにしても両親や子供の話を聴いて今でいうカウンセリングなんかをしてたんじゃないかなと私は思っています。
疳の虫退治のための、子供用のはりです。刺さない鍼を使って子どもの体をこすったり押したりしして治療します。体表からの刺激で自律神経を調整します。
昔は、「虫」をやっつけるというパフォーマンスをやっている先生もいました。鍼でつついたら「虫が死んだ!」とか言って。
親は、ある程度本当の問題は認識してるのでしょうが、「虫」のせいにされていることで、気持ちが落ちつくようです。
子どもの状態が落ちつくと、おおむね家族や周りの状態も落ち着いてきます。子どもの治療が家族の治療にもつながるのですね。
ちなみに、下の写真が「疳の虫」退治の魔法の武器、小児鍼です。鈴がついてるのとか、最近だと動物の形をしているのとかいろいろ子供を喜ばす工夫がされているのもあります。
発達障害の子供は定型発達の子供よりストレスを受けやすく、またストレスが強くなると行動障害がはっきりしてくるので、ストレス緩和の小児鍼が役に立つ可能性があります。実際に、施設で導入を行っているケースもあります。子どもだけでなく職員の燃えつきが防げたこともかなり大きい効果だったそうです。
やり方は紹介しませんが、お塩を使ってやってみたところ、確かに指先にひもみたいなものが出ました。正体が非常に気になるので分析してもらいたいですね。
手を洗ったあとに出るとのことで、糸くずがつかないようにペーパータオルを使い気を使ったんですが。
ひょっとしたら空気中のゴミがついたのかもしれませんが、見つけた瞬間かなり「ドキッ」としましたので、心理効果は高いんだなと思いましたよ!