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鍼灸が対象とする不眠症

不眠症の実情

疫学調査で、日本における成人の20%程度が不眠をの症状を持つことが分かっています。40代、中年以降になると急激に増加しますが、年齢とともに睡眠が浅くなる事の他に、社会・心理学的ストレス、生活リズムの乱れなどが関係すると考えられています。

鍼灸施術が主に対象とする不眠

鍼灸で対象となるのは、原因となる病気がない「原発性不眠症」です。
鍼灸治療は、副交感神経の働きを強める働きがあるので、たかぶった気持ち、神経の緊張を緩めることより、睡眠状態を改善することが期待できます。社会生活におけるストレス、仕事などによる生活リズムの乱れなどによる不眠で、うつ病などまでゆかない不眠症に対して助けになる可能性があります。

精神疾患にともなう不眠

うつ病、躁病、統合失調症など精神疾患の患者さんの多くに不眠症がみられます。精神科もしくは心療内科にかかられていない患者さんで疑われる場合は、医療機関へ紹介、受診をおすすめします。
鍼灸でストレス緩和や病気にともなう肩こりなど筋のこわばりの改善は、睡眠状態を良くすることが期待できますので、医療機関での治療の補助として利用できる可能性があります。

筋・骨格系の症状にともなう不眠

筋の痛み、例えば肩こりや首の痛み、背部痛などが気になって寝れないなどの症状については、鍼灸が助けになる可能性があります。ホテルのマッサージを受けた後は良く眠れたなどの経験を持つ方は少なくないのではないでしょうか?
また、鍼通電治療が、線維筋痛症の患者さんの不眠に対して効果が期待できるとする研究報告があります。